8月1日・・父は遠くへ旅立ってしまいました。

長く患い入退院を何度か繰り返しながらも、いつも厳しく強い父で一度も弱音を吐かない父・・
そんな父が日を追うごとに弱く優しくなっていく・・
大きかった手も、広かった肩もだんだんと細く小さくなって・・
どんなに呼んでも、泣き叫んでも、もう父の怒った顔も、笑った顔も見ることが出来なくなってしまいました。

棺に横たわった父にそっと“おとうさん”と呼びかける・・
黙って目を閉じたままでグッスリ眠ったような顔をしている父の頬にそっと手を当ててみる・・

お父さん
お父さん
もう一度だけ、もう一度だけ目を覚ましてくれませんか・・

お父さん
お父さん

勝手口にはいつも履いてた靴がそのままで・・
服も帽子もいつものままで・・
大きな腕時計も時を刻み続けて・・
疲れると横になっていたベットもそのままで・・
そんな全てが辛くて、ただただ悲しくて・・

お父さん
お父さん

そっとハンカチで目を押さえる母の背中がとても切なく・・
だから、お父さん
もう一度だけ、もう一度だけ目を覚ましてくれませんか・・
泣いてばかりいる私を怒鳴ってくれませんか・・

打ち上げられた花火の音が遥か遠くまで響き渡り、色鮮やかに咲いては消えていきます。
最後は盛大に咲き乱れて・・
まるで花火に見送られるように父は遠くに旅立ってしまいました。




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